日赤の研修医が誤診をし、高校生が亡くなるという痛ましい事件が発生しています。
一度目の受診でも研修医が相談せずに判断し、同日2回目の受診時にも別の研修医が診断して上級医に相談しなかったと言われています。
患者の容態が悪かったにも関わらず、なぜ研修医は上級医に相談できなかったのか?また、相談しなかったのか?
日赤の研修医はなぜ相談しなかったのか。研修医の視点について調べてまとめてみました。
目次
日赤の研修医はなぜ上級医に相談しなかったのか?
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日赤の研修医はなぜ上級医に相談しなかったのか。この疑問について考えられる点は、以下の4通りあると考えられます。
- 研修医と上級医の不仲
- 研修医の過信や慢心
- 研修医の多忙さ
- 研修医のうつ傾向
以上の4つについて、詳しく見ていきましょう。
研修医と上級医の不仲(パワハラ)
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研修医と上級医が実際にパワハラ(不仲)があったという事実は今の所ないものの、日本赤十字社の医者のパワハラについて調べていると次のような事がありました。
- 2024年3月:徳島赤十字病院で外科系部長の医師が、同僚の医師に暴言
- 2023年8月:看護師が自●(長時間労働やパワハラ)
日赤の病院全てでパワハラがあったとは考えにくいとも言えますが、日赤の内部では実際にパワハラがあったという事がわかります。
つまり、今回の事件も上級医と研修医の間で不仲(パワハラ)があり、研修医が上級医に相談できる環境ではなかった可能性があると考えられます。
小林製薬で話題になった阿部雅紀医師は、コミュニーケーションを大事にされる方です。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院にも、こんな人が上司がいたらいいですね!
研修医の過信や慢心
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2つ目に考えられるのが、研修医の過信や慢心。
研修医は医師免許を取得すると一般的には医師と名乗る事が可能になります。しかし、できる範囲は限られています。
この研修医2名が1年目なのか2年目なのか定かではありませんが、仮に2年目だとすれば、1年目の経験から自分の診断にもある程度の自信を得ていた事が考えられます。
だから、上腸間膜動脈と症状がやや似ている急性胃腸炎としてしまった可能性があります。
- 上腸間膜動脈症候群:吐き気、嘔吐、上腹部の痛み、腹部膨満ぼうまん
- 急性胃腸炎:発熱、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
まさか、高校生で上腸間膜動脈症候群なんてあるわけないという慢心もあり、このような誤診に繋がったのかもしれません。
研修医の多忙さ
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今回の事件で担当した2名の研修医。仮に研修医1年目であれば、仕事量に対して対応速度が遅ければ休む暇がありません。
そうなってくると、先ほどの過信にも繋がってきますが、「この症状ならこうだろう」という安易な考えになっていったという事が考えられます、
今回の研修医2名がどれほどの多忙さだったのか。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の実際の労働環境についても焦点を当てて見ておく必要があります。
研修医に問題があったのは間違いありませんが、労働環境に問題があれば日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院も見過ごす事はできません。
研修医のうつ傾向
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研修医になった人には、うつになる傾向があるデータもあります。少し古いデータもありますが、参考程度に見てください。
- 2015年:JAMA誌2015年12月8日号によると28.8%
- 2015年:日経メディカルOnlineによる2884人対象によるデータから37.1%がうつを経験
- 筑波大学の研究:初期研修医の25%は研修から開始後2ヶ月でうつ状態
このように、4人に1人の割合で鬱を経験した人が出ています。なので、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の研修医も、同様にうつの傾向があり、慎重に診断をできる状況ではなかったとも考えられるのです。
そうなると、研修医に問題があるかもしれませんが、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の教育体制にも問題がある事が言えるかもしれません。
【まとめ】日赤の研修医はなぜ相談しなかった?
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院で、研修医がなぜ上級医に相談しなかったのかを最後にまとめておきます。
- 研修医と上級医の不仲
- 研修医の過信や慢心
- 研修医の多忙さ
- 研修医のうつ傾向
このような事が起こる背景として、そもそも日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院という所に辿りつくでしょう。
日赤を利用する地域の方の信頼を取り戻せるのでしょうか?