ちょっと地方競馬の厩務員になりたいけど、「きついとか、つらいとかって話を聞くけど、仕事って実際にどんな感じなのかな?」と思って調べた方。
または、ちょっと興味本位で、「地方競馬の厩務員」ってどんな感じなのかな?と思って調べた方へ、元地方競馬厩務員の私が体験談(経験談)を元に色々と書いていきます!
目次
地方競馬で厩務員になるには?【方法】
#厩務員
— 🔰ドリームホース『笠松競馬を愛す馬主』志は岐阜から全国制覇🐴あなたの、そして私の夢が走っています (@dreamhorse_jp) October 12, 2021
数が不足し、馬房が空かない現状😭
愛馬の入厩が難しい🐴
馬主、自ら厩務員に応募し、
愛馬の厩務員になって、
勝利を目指す事は、良いか?ありなのか?
<地方厩務員になるには?>
試験や資格は必要なし
未経験の方は、厩舎や競馬場の見学も可能です。
興味ある方は、お問合せ下さい。 pic.twitter.com/GbuGO8YK34
地方競馬で厩務員になる方法ですが、普通に求人で出されている事があります。
地方競馬の厩務員の場合は大抵、上のような形で募集されています。私の場合はハローワークで求人が出されていたので、応募した感じです。
その後、喫茶店で面接をして、その場で決まった感じです。厩舎によっては、経験者などが問われるかもしれません。
厩舎側としては、攻め馬(調教ができる)ができる人が欲しいところが多いでしょうから、牧場などで経験を積んでおくと尚良いでしょう。
私の場合は、乗馬も未経験でしたが地方競馬の厩務員になれました!
地方競馬での厩務員の仕事内容
田中厩務員のマッサージが気持ちよすぎて…
— 東スポ競馬 (@tospo_keiba) September 7, 2021
鼻先が伸びまくる #アスクドンキバック くん
地方で2勝してすぐ帰っておいで〜😭#レッツゴードンキ弟 #競馬 pic.twitter.com/S2AmEBfY28
地方競馬での厩務員の仕事内容は平日とレース当日では流れが変わります。およその流れを書いておきます。
地方競馬の平日のスケジュール
まずは平日からざっくりと見てみましょう。
- 1時30分起床→餌つけ
- 調教が朝の7時くらいまで
- 昼の12時くらいまで休憩(この間に寝わらを乾かす。厩舎によってはオガクズを入れているところもあるので、無いパターンもある)
- 運動する厩舎は昼の運動→午後4時くらいから餌つけ
- 就寝は早い人は8時くらいには寝る
これがザックリとした流れです。かなり変則的になります。
次は具体的な内容です。気にならない人は次のリンクで休日編へ飛んでください。
地方競馬の平日のスケジュールの具体的な内容
体温チェックや外傷チェック。調教の前に馬装(ばそう)をして調教ができる準備をします。
2時50分には1頭目の調教(20分ほど競走馬の体をほぐす為に運動をする。)
運動は、乗り運動や引いて運動するパターンの2種類あります。ゆっくり運動させる人もいれば、早歩きのようにして運動させる人もいました。
そして、調教中にやることは次の通り。
- 調教が10分、15分くらいで帰ってくるので、その間に寝床の掃除や水換えなど
- 調教から戻ると体を洗う。体をほぐす為に運動をする。(約15分から20分程度)
- 綺麗にして蹄に油を塗ったりして馬房にれる。
以上の事を3〜4頭行います。
次にレース当日のパターンを見てみましょう!
地方競馬のレース当日のスケジュール
(つづき)
— カツマルくん (@katsumaruclub) October 23, 2019
そして9R後には地方競馬全国協会主催のフォトうまコンテスト『夏うま』シーズン賞の表彰式。
選出された優秀作品はブースター(佐藤博紀厩舎)を引く成瀬永美厩務員(右)&佐藤里美厩務員(左)
被写体となった女性厩務員たちがウイナーズサークルに登場します。#chihokeiba #川崎競馬 pic.twitter.com/OHCMXmartA
- 1時30分起床→餌つけ
- レースに出走する担当馬状況にもよるが調教が朝の5時や7時くらいまで
- 担当馬が1レースに出走する場合は、朝の9時くらいには馬体のチェックなどをして装鞍所へ行く。
- 運動する厩舎は昼の運動→午後4時くらいから餌つけ
- 就寝は早い人は8時くらいには寝る
次にレース当日の具体的な内容を見ていきます。
気にならない人は下のリンクの2歳馬に飛んでください。
地方競馬のレース当日のスケジュールの具体的な内容
- 約9時30分くらいに厩舎に行って、担当馬のブラッシングなどをしてレースに備える
- 10時くらいに装鞍所へ行く
- パドックへ行く
- ゲート裏へ行き、ゲートへ担当馬を入れる
- 担当馬の上がりをとって、クールダウンをする
- 以下平日と同じように運動したり寝わらを返すなどをする
- (ただし、担当馬がいる場合は午後4時くらいまで終わらない)
これが、レース当日のスケジュールとなります。
次に地方競馬の厩務員のお仕事:番外編について見てみましょう。
地方競馬の厩務員のお仕事:番外編
【笑いあり涙ありのインタビュー】
— 地方競馬全国協会(NAR)公式 (@nar_keiba) September 4, 2021
今週の「アタック!地方競馬」はキャッスルトップ特集第2弾!第1弾はオーナーブリーダー城市公さんのインタビューをお届けしましたが、今回は城市さんの息子でキャッスルトップ担当厩務員、城市幸太さんが登場。ゲストは中川明美さん。GCH17:30(再放送25:00)~です。 pic.twitter.com/mDdLws3T1y
厩務員の仕事をしていると、調教やレースに関心が集まるかもしれませんが、他にもやることがあります。
2歳馬や装蹄、注射などです。これも具体的に見てみましょう。
地方競馬の厩務員のお仕事番外編:2歳馬
牧場の手を離れた2歳馬が地方競馬へ来ることが普通にあります。
その時に行う事は次のようなことです。
馬装
ゲート練習
能力検定
今でこそ、牧場の設備がしっかりしているので無いですが、昔は馬装すらしていない競走馬が来ていた事もあったと聞いたことがあります。
また、同じようにゲート練習をしていない競走馬もいたりします。そういった競走馬の場合は、ゲートへ行って練習をします。
競走馬の中にはゲートで立ち上がったり、音に恐れて暴れる競走馬いたりします。(中央競馬ではゴールドシップの宝塚記念が有名な話です。)
その後、ゲートが審査に通過したら後日、通称:能検と呼ばれる能力検定レースを行います。
このレースで規定のタイムに達しない場合は、再競走といった形となります。
地方競馬の厩務員のお仕事番外編:装蹄
本日は那須塩原にある地方競馬教養センターにて大和高原診療所の斎藤獣医師による装蹄療法を学びに行ってきましたよ。斎藤先生は装蹄師の資格も持っておられて、とても豊富な知識と経験で座学および実技(血管造影)を教えてくださいました。 pic.twitter.com/HR7kSiiPOw
— まなてぃ (@Fukudamana) January 29, 2023
競走馬といえば、人間でいうところのスパイクを履いて走っています。そのスパイクを履かせる人を通称・装蹄師と言います。
競走馬も人間と同じで色々な馬がいます。臆病だったり音に敏感だったり。
そういった競走馬がいた場合に、慣れた人がついていれば暴れなかったりするパターンもあります。(経験談)
なので、調教が終わったら空き時間に装蹄師さんに装蹄してもらうということがあります。
地方競馬の厩務員のお仕事番外編:注射
栃木県の地方競馬教養センターにて実施されている
— 瀬瀬賢 (@masarusese) January 26, 2023
『第22回獣医師生涯研修』
エクワインからは門脇、神谷、福田の3名が参加(予定)
研修に参加する事で知識向上とスキルアップが出来る。そして普段会わない獣医師との交流は獣医ネットワークの構築にも繋がる。
結果、その全てが自分の獣医師力となる pic.twitter.com/awTcJaB1gg
地方競馬の厩務員のお仕事番外編:3番目となるのは注射についてです。
自分で注射を打つということはありませんが、獣医さんに頼んでレース後の回復を早めるために栄養剤を打ってもらうということがありました。
中には注射を刺された痛みで暴れる馬がいたりします。
そういった場合は、鼻をねじる(鼻ネジ)を使って痛みを鼻に集中させて注射をさせるといったパターンもあります。
では、次に地方競馬の厩務員の休日について見ていきます。
地方競馬の厩務員のお仕事(休日編)
地方競馬の厩務員は基本的にあると思わない方が良いでしょう。
厩舎毎による所もありますが、当番制や、個人で全てやるパターンがありました。私の場合は3人で番を回していましたので、月3日は丸1日休みでした。
当時は、それが普通に思っていました。
休みの日は寝わらをあげたり、馬の状態をチェックしたりしていました。調教はありませんでしたが、休みではない感じです。
休みはない感じと触れたところで、厩務員のつらさなどについてもみていきましょう。
地方競馬の厩務員の”つらさ”や”きつさ”【経験談】
シップレックビーチの担当さん、この勝利が初勝利とのこと。
— 🐾てつ&ハク🐾🐴中村哲人🐱 (@umaumatetu) September 29, 2022
難しい馬を管理してもらい初勝利まで長かった😢
いつもお世話になってる若い力。
関係者の皆様、応援してくれた皆様に感謝です☺️
あ、地方競馬だって夢もロマンも感動だってあります🍀 pic.twitter.com/uo3jgMaude
厩務員の”つらさ”や”きつさ”を簡単にまとめると次のような事が個人的にありました。
- 慣れるまで朝が辛い
- 休みが少ない
- 競走馬の事故(骨折等)
- 勝てないと肉になる
- 手荒れ
以上のようなことが、私自身の”つらさ”や”きつさ”といったところでした。
私は、アトピー持ちもあり手荒れが酷くて、冬場には手の表面ですらアカギレを起こしていました。
また、苦楽を共にした担当馬が事故で亡くなるというのは、今思い返しても悲しいものでした。
上にあるようなポイントをクリアできるなら地方競馬の厩務員として働いても問題ないかもしれませんね。
ただ、”つらさ”や”きつさ”だけでないのも事実です。
地方競馬の厩務員で働いてよかったこと【経験談】
地方競馬の厩務員でなくともという感じでではありますが、中央競馬と違って資格が必要ということはありません。
なので、生で競走馬を担当できるというのは、貴重な経験になります。これに尽きます。
また、私の話になりますが担当させてもらった競走馬が廃止の最終レースに出走して惜しくも勝てませんでしたが、一生の思い出になりました。
手がけた愛馬が活躍してくれるというのが一番の嬉しさになりますよ!これはお金には代えられません!
ただ、馬主さんの財産になるので気をつけてお世話をしないといけません。その点の責任もあるということも頭に置いて仕事をする必要があります。
また、よかった点というか捕捉にもなりますが、次のような事もありました。
地方競馬の厩務員の給料
地方競馬で働いた場合の給料ですが、これも厩舎にもよりますが、担当馬✖︎50000円といった感じでした。
なので、4頭✖︎50000円で20万円でした。人にもよりますが15万円のところもあります。
ただ、これ以外にも出走手当や競走馬が勝った時の賞金手当もありました。
地方競馬でも川崎や大井競馬場といったところだと、中央競馬から遠征に来るレベルの賞金があります。
東京大賞典が1億円で、賞金の5%ですから500万円となります!こういう事を考えれば、川崎や大井競馬場の厩務員になるので一番いいかもしれませんね!
中央競馬と地方競馬の給料などについても比較しています。