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将棋の8冠達成者は誰かいるのか?藤井聡太が8冠になる可能性や確率を計算した結果【将棋知らない人向け】

藤井聡太2

藤井聡太さんが将棋のタイトル戦”王座戦”で、現王者である永瀬拓矢王座に挑んで8冠に挑んでいます。

テレビやニュースでも話題になっていますが、この8冠というタイトルはこれまでに誰か獲得した人はいるのでしょうか?

そういった疑問や、藤井聡太7冠(2023年時点)が8冠を達成する可能性や確率について、割と初心者向けへ向けてわかりやすくご紹介していきます!(マニアック解説になってます!)

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筆者はちなみに将棋ウォーズ2級ですw

将棋の8冠達成者は誰かいるのか?

将棋の8冠達成者は誰かいるのか?という事ですが、結論からいうと誰も成し得たことがありません。

なので、将棋会含めテレビニュースで話題となって、藤井聡太7冠(2023年時点)が取り上げられているのです。

「それだけ難しいの?」と思った方がいるかもしれません。

なので、将棋の8冠がどれほど難しいのか?という事をまずは知っておく必要があります。

まずは、タイトル戦について見てみましょう!

将棋の8冠のタイトル戦の歴史

この8冠のタイトルが制定された歴史を一度振り返る必要があります。この8個のタイトルを一度みておきましょう!

  • 竜王戦(りゅうおう)
  • 名人戦(めいじん)
  • 王位戦(おうい)
  • 王座戦(おうざ)
  • 棋王戦(きおう)
  • 叡王戦(えいおう)
  • 王将戦(おうしょう)
  • 棋聖戦(きせい)

    この8個のタイトルが将棋界の8大タイトルとして掲げられています。

    ただ、この8大タイトルも一度に全て出てきていたわけではありません。

    名人決定大棋戦(名人戦)→九段戦→王将戦→王位戦→棋聖戦→棋王戦→王座戦→竜王戦→叡王戦という歴史をもって、8大タイトルになっていったわけです。

    ですが、勘の良い方はお気づきでしょう。9個ありますw

    九段線が十段戦に改名し、1988年に発展解消(wikiによると)し、代わりに竜王戦がとって変わった事で、今現在の8冠(上記記載)が誕生しているという事となります!

    また、8冠で一番新しくできたタイトルでいうと、叡王戦。この叡王戦が2017年にドワンゴ主催で開催されるまでは、7冠が獲得できるタイトルのMAX数だったという事になります。

    割と最近までは8大タイトルができてなかったという事です。これが8冠達成者がいなかった一つの理由として挙げられます。

    また、この8冠のタイトルがなかったという以前に、そもそもタイトルを獲得する事難しいとたう理由にも挙がります。

    8冠達成以前に1つのタイトル獲得も難しい件

    8冠達成以前に1つのタイトルを獲得する事が難しいのは、タイトル戦の仕組みと関係があります。

    1つの例として竜王戦について見てみましょう。

    竜王戦はトーナメント方式になっていて、6組ほどのブロックにわかれています。(2024年時点)

    • ランキング1組(16人)
    • ランキング2組(16人)
    • ランキング3組(16人)
    • ランキング4組(32人)
    • ランキング5組(32人)
    • ランキング6組(女流棋士4名・奨励会員1名・アマチュア5名)定員なし
    • 2024年時点での棋士の人数は450名ほどいますが、ランキング5組までに116名がランキングに入っています。

      将棋界に入り、各ランキングで1位になると、本戦のトーナメント出場を果たす事ができます。

      ここで考えて欲しいのがランキングです。このランキングも強い人のみが残ったランキングという事。

      つまり、ランキングで1位を獲得した人から更にトーナメントで1位を決めるという、猛者と猛者が戦うという事です。

      その本戦で勝てる人が挑戦者になり竜王になるという事です。

      一度タイトルを獲得すれば、優勝者という事で待つだけですが、一度竜王の座から陥落すると猛者対猛者という事が繰り返されるのです。

      だから、8冠以前にタイトルを獲得するのが難しいのです!

      また、次のような事もデータとして現れているので紹介します。

      タイトル保持の難しさと羽生善治前7冠等を比較

      藤井聡太さんが7冠(2023年時点)を保持していますが、あの羽生善治さんが7冠をどれくらい保持していたのか?という事もみて見ましょう!

      羽生善治9段(2023年時点)は1996年に7冠を達成しています。そこから7冠をどれくらい保持していたのか?

      • 1996年2月に7冠達成
      • 1996年7月に1冠陥落で6冠

        月日にするとわずか5ヶ月という期間

        稀代の天才と謳われた羽生善治さんですら5ヶ月という事で、それだけ7タイトル防衛が難しいということがわかりますよね?

        また、この天才羽生善治さんですら8年後の33歳にはタイトル獲得が王座のみという事がありました。(そして今は無冠で9段へ)

        また、次のような事もタイトル保持の難しさを物語っています。タイトル戦での防衛率があるので、そのサイトを見ると次のようになっています!

        • 羽生善治 138戦0.717
        • 大山康晴 112戦0.714
        • 中原誠  91戦0.703
        • 渡辺明  44戦0.705
        • 塚田正夫 10戦0.600
        • 高橋道雄 10戦0.500
        • 佐藤天彦 10戦0.500
        • 以下略

          上位4名が7割越えとなっていますが、対局数が他の方達とは圧倒的に違います。それにも関わらず、7冠達成者が羽生さんだけです。(大山康晴さんは将棋のタイトル数が5つだった時は5冠を達成しています。全盛期ならチャンスはあったかも

          こういう背景も踏まえてタイトルを保持するにもかなりの実力が必要とされるのです。

          なので、8冠達成者が藤井聡太さんが現れるまで誰もいなかったということになるのです。

          では、藤井聡太さんが8冠になるのはどれくらいの可能性なのか?確率も含めて算出して見ました!

          藤井聡太の8冠達成の可能性や確率は?

          藤井聡太さんが8冠を達成する可能性や確率は次のような事を見ていく必要があります。

          藤井聡太さんの実力と対戦相手である永瀬王座との実力です。

          この二人の実力や過去の対戦成績、先手番・後手番、戦型の勝率(得意戦法)等を踏まえると次のようになります。

          先手番のみの場合→0.888+0.772+0.647÷3=0.766

          後手番のみの場合→0.777+0.772+0.647÷3=0.732

          となります。ただ、ここに2023年度の永瀬王座の対戦成績を加味すすると6割くらいになると考えられるかもしれません。

          一体どういう事なの?と疑問に思われる方は、この計算方法などの解説の最後に対戦成績について書いてあるのでご覧ください!

          藤井聡太が8冠達成する可能性を先手後手番で考察

          藤井聡太さんが現在7冠ということなので、実力は将棋界のトップと言われるのは言わずもがなです。

          ただ、それを裏づけるにはデータの部分や他の棋士からのコメントも見ていくのもポイントでしょう。

          将棋というのは、先手後手があります。(野球でいうと先行後攻)藤井聡太さんが先手番の時と後手番の時の勝率を見てみましょう!

          2023年時 先手:12勝1敗(0.923) 後手:6勝4敗(0.600)

          通算 先手:176勝22敗(0.888) 後手:160勝46敗( 0.777)

          2023年で先手番を奪うと、”ほぼ負けない”形になっています笑

          また、後手番になったとしても白黒をつけるなら”勝ち”となっています。

          つまり、先手番でも後手番でも勝てるという事で100%で8冠になるということが伺えますw

          また、2023年の藤井聡太さんのタイトル防衛戦の成績を見て見ましょう。

          • 名人戦 4勝1敗
          • 王位戦 4勝1敗
          • 王座戦 4勝0敗(ちなみに王座戦は前年度)
          • 叡王戦 3勝1敗
          • 棋聖戦 3勝1敗

          圧倒的な強さもわかりますが、この成績からは、”連続負けしていない”こともないということもわかります。大抵どこかしら連続で負けるということもありえます。

          連続して負けないにも理由がありそうです。

          藤井聡太が8冠達成するには戦型がカギ?

          藤井聡太さんが連続して負けていないということも8冠達成の確率をあげていますが、戦型も鍵を握ってきそうです。

          藤井7冠のタイトル戦の戦型は居飛車系で、(飛車が最初の位置から縦に動く形で、後で縦横に動く)相掛かり(相手も同じように飛車が縦に動く形で、後で動く)、角換わり(角を交換するも飛車の位置はそのまま)となっています。

          相掛かり:17勝6敗2千日手 (勝率:0.772)

          角換わり:25勝8敗1千日手(勝率:0.757)

          千日手は引き分けの意味

          *引き分けは計算に含めていません。

          相掛かりの戦法をとっていくとより勝つ可能性が高くなり8冠達成が近づきそうです!

          ですが、この戦法を極めているといっても、将棋は相手がいるもの。対戦相手の永瀬王座の成績もみて見る必要がありそうです。

          8冠達成を阻む可能性のある永瀬王座(対戦成績)

          藤井聡太さんと永瀬王座の対戦成績を一般戦などを踏まえて見てみると次のようになっています!

          17戦

          藤井聡太7冠が11勝

          永瀬王座の6勝

          藤井聡太7冠の勝率は0.647

          この成績を見ると、やはり藤井聡太7冠が勝ちそう!と思えてなりません。しかし、次のようなデータがあります。

          2023年8月31日:王座戦五番勝負 第1局で、藤井聡太7冠が先手番で黒星(角換わり)

          2022年6月3日:棋聖戦五番勝負 第1局で、藤井聡太7冠が先手番で黒星

          2020年10月26日:王将戦挑決L 3回戦で、藤井聡太7冠が先手番で黒星

          永瀬王座は先手番の勝率が8割を超えている、あの天才・藤井聡太7冠に3回ほど後手番にも関わらず勝っているということです!

          また、2023年に入っての対戦成績を見ると、永瀬王座が藤井聡太さんに2戦2勝しています!

          なので、こういう事を踏まえても永瀬王座が藤井聡太8冠を阻止する勢いがついているということが見えてくるのです!

          この背景を踏まえて、5番勝負で藤井聡太7冠が8冠になる確率を踏まえると先ほど書いたように

          ”6割くらいになる”のではと考えられます。

          藤井聡太7冠には、羽生善治9段につぐ最強棋士になって将棋界を盛り上げて欲しいですね!

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