「ジュウリョクピエロって、本当に凱旋門賞で通用するのかな?」

競馬ファンなら、一度は気になりますよね。日本のレースで強い勝ち方をすると、どうしても「世界でも見てみたい」と期待したくなります。

ただ、凱旋門賞は日本馬にとって特別な壁があるレースです。単純な能力だけでは勝てません。スピードシンボリから始まり、エルコンドルパサーの半馬身、ナカヤマフェスタの頭差、オルフェーヴルのクビ差と、世界一まであとほんのわずかまできています。

この記事では、

  • 凱旋門賞と日本競馬の違い
  • 過去10年の傾向
  • ジュウリョクピエロの適性
  • 血統や遠征面の不安材料

などを整理しながら、ジュウリョクピエロが凱旋門賞で出走すると現実的にどこまで通用しそうなのかを考察していきます。

ジュウリョクピエロの背にまたがる今村聖奈の彼氏になぜ坂井瑠星?注目される背景(SNS・イベントの話題性)はこちら

凱旋門賞の芝と日本の芝の違い

ジュウリョクピエロ 凱旋門賞

凱旋門賞の芝や形状などについてまずはおさらいしておきましょう。

  • ロンシャンの高低差約10m(中山競馬場の約2倍)
  • 東京競馬場2.7mとの違い
  • 洋芝と野芝
  • 重馬場化しやすい欧州気候
  • 日本は高速瞬発型、欧州は持久力型

このようにパリロンシャン競馬場は、日本の高速決着とは求められる能力が大きく異なります。

日本競馬が「瞬発力勝負」になりやすいのに対し、ロンシャンは“長く脚を使い続ける持久力戦”になりやすいコースです。

ロンシャン競馬場は、最後の直線に入る前から細かく脚を使わされるコース形状になっており、日本競馬のように「直線だけ全力」という競馬になりにくいんですね。

そのため、日本で強い馬でも、ロンシャンでは別馬のように伸びなくなるケースがあります。

凱旋門賞で重要になる能力

つまり凱旋門賞は、「最後だけ速ければ勝てるレース」ではありません。

重い芝を長く走り続ける持久力や、早めに動いても止まらないスタミナが重要になります。

だからこそ、ジュウリョクピエロがどのような走り方をする馬なのかも重要になってきます。

また、日本競馬では「瞬発力=強さ」と見られやすいですが、欧州競馬では“苦しい状態をどれだけ長く維持できるか”も重要になります。

そのため、日本で豪快な差し切りを見せた馬でも、ロンシャンでは伸び切れないケースがあります。

凱旋門賞で好走しやすい馬の特徴

逆に、多少切れ味で劣っていても次のようなタイプは好走する可能性があります。

  • 道悪を苦にしない
  • 長く脚を使える
  • 早めに動いて止まらない

といったタイプは、凱旋門賞で好走する可能性があります。

ジュウリョクピエロの走法は凱旋門賞向き?

ジュウリョクピエロは持続力タイプ?

ジュウリョクピエロは、一瞬だけ切れるタイプというより、馬力や持続力も感じさせるタイプです。

ただ、現時点では“典型的な欧州型”と断言できるほど、タフ馬場での実績が揃っているわけではありません。

その一方で、

  • 位置を取れる自在性
  • 長く脚を使える可能性
  • オルフェーヴル産駒らしいパワー

など、“凱旋門賞向きかもしれない要素”も見え始めています。

過去レースから見える特徴

過去のレース内容を見ても、位置取りに幅があるのは特徴です。

  • 2歳新馬 先行3番手から1着
  • JBC2歳優駿 11頭中後方10番手から徐々に上がる
  • ポインセチアS 最後方から
  • 3歳1勝クラス 7頭中4番手
  • 忘れな草賞 14頭立てから最後方から徐々に上がる
  • オークス 18頭中13〜14番手付近から進め、4コーナー14番手から差し切り1着

このように、先行・差し・追い込みとレースによって形を変えられるため、「後方一気しかできない馬」ではありません。

凱旋門賞では、馬場や展開によって求められる位置取りが大きく変わります。

そのため、この自在性はプラス材料と言えそうです。

日本向きか欧州向きか

ただし、オークスのような“後方一気”が、そのままロンシャンで通用するとは限りません。

東京競馬場は、日本でも特に直線が長く、瞬発力を生かしやすいコースです。

一方のロンシャン競馬場は、

  • 道中から脚を使わされる
  • 早めに動く持続力が必要
  • 直線だけの瞬発力勝負になりにくい

という特徴があります。

特に欧州の重い馬場では、一瞬の加速力より、“減速しない脚”の方が重要になります。

その意味では、今後もし重馬場や中山・阪神のような消耗戦コースでも強い競馬ができれば、凱旋門賞適性への期待はさらに高まりそうです。

凱旋門賞向きと感じるポイント

また、凱旋門賞では“加速の速さ”より、“加速した後にどれだけ維持できるか”が重要になります。

日本のG1では直線だけで一気に脚を使う競馬でも届きますが、ロンシャンでは早めに動かされながら最後まで踏ん張る必要があります。

そのため、ジュウリョクピエロが今後次のような競馬を見せてくれれば凱旋門賞への期待は大きく膨らみます。

  • 早め先頭でも粘れる
  • 重馬場でも脚色が鈍らない
  • 中山や阪神の消耗戦で強い

ジュウリョクピエロの特徴

  • ダートより芝向き
  • 1800〜2400mの中長距離適性
  • 後半ロングスパート型
  • 瞬発力だけでなく持続力もある
  • 差し〜追い込み寄り

日本競馬では「上がり最速」が注目されやすいですが、凱旋門賞ではむしろ“減速しない脚”の方が重要になります。

特にロンシャン競馬場は、最後まで長い下り坂や、フォルスストレート、重い芝で体力勝負になりやすいコースです。

そのため、ジュウリョクピエロは“欧州向きの可能性”を感じさせる一方で、現時点では東京向きの瞬発力性能が強く出ている印象もあります。

今後、重馬場や消耗戦で同じような末脚を使えるかが、凱旋門賞適性を見極めるポイントになりそうです。

ジュウリョクピエロと凱旋門賞優勝馬タイム他との比較

ジュウリョクピエロ 凱旋門賞

過去10年の凱旋門賞優勝馬のタイム

ジュウリョクピエロの2400mのタイムは2:25:6

凱旋門賞の過去10年に渡っての優勝馬のタイムは以下の通りです。

優勝馬 馬場状態 勝ちタイム 性齢 斤量
2024 ブルーストッキング 2:31.58 牝4  58.0kg
2023 エースインパクト 稍重 2:25.50 牡3  56.5kg
2022 アルピニスタ 2:35.71 牝5  58.0kg
2021 トルカータータッソ 2:37.62 牡4  59.5kg
2020 ソットサス 不良寄りの重馬場 2:39.30 牡4  59.5kg
2019 ヴァルトガイスト 稍重 2:31.97 牡5  59.5kg
2018 エネイブル 2:29.24 牝4  58.0kg
2017 エネイブル 2:28.69 牝3  55.0kg
2016 ファウンド 2:23.61 牝4  58.0kg
2015 ゴールデンホーン 2:27.23 牡3  56.0kg

タイム比較から見えるポイント

過去10年の凱旋門賞の優勝馬から見えてくるものは次のようになります。

  • ジュウリョクピエロのオークスの勝ちタイムを上回っていたのは過去に2頭のみ(馬場は稍重と良馬場)
  • 牝馬も牡馬も互角の勝率50%
  • 3歳の優勝は10頭中3頭のみ勝率30%
  • 3歳の牝馬に限っては1頭のみ10%
  • ジュウリョクピエロが3歳で凱旋門賞に出走なら55kgの斤量

ジュウリョクピエロのオークスのタイムと凱旋門賞のタイムは先ほど書いたようにコース形状が違うので単純比較はできませんが、スピード決着も対応可能と言えそうです。

凱旋門賞は時計もだが馬場適性が鍵

特に凱旋門賞は、同じ2400mでも毎年の馬場状態によって10秒以上時計が変わる特殊なレースです。

そのため、日本の高速タイムだけで「通用する・しない」を判断するのは難しく、むしろ重い馬場でどれだけ脚を使えるかが重要になります。

以上のような事が過去10年の凱旋門賞の優勝馬から見えてきます。

欧州馬のレース運びとの違い

また、過去の凱旋門賞を見ると、“速い上がりを使った馬”より、“早めに動いて押し切った馬”の方が結果を出している傾向があります。

特に欧州のトップホースは、次のような傾向があります。

  • 道中で息を入れながら運ぶ
  • 3〜4コーナー付近から徐々に加速
  • 最後まで減速しない

という競馬が非常に上手です。

日本馬はどうしても「直線勝負」に慣れているため、このリズムの違いに苦戦しやすいんですね。

凱旋門賞は位置どりも重要

また、凱旋門賞では単純なタイムだけでなく「どの位置から競馬をするか」も非常に重要になります。

日本競馬では後方から一気に差し切る競馬も珍しくありません。

ただ、ロンシャン競馬場では、次のような事があり

・下り坂からの早仕掛け
・フォルスストレート
・消耗戦

になりやすく、後方一気だけでは届かないケースも多く見られます。

実際の凱旋門賞優勝馬も、中団から早めに進出するタイプが目立ちます。

ジュウリョクピエロが凱旋門賞を目指す場合も、「どこから動けるか」はかなり重要なポイントになりそうです。

日本馬の好走パターン

また、過去の日本馬を見ると、凱旋門賞で好走した馬には共通点もあります。

  • 道悪適性
  • 早めに動ける持続力
  • 海外遠征でも精神面が崩れない
  • 欧州型のスタミナ

エルコンドルパサー、オルフェーヴルあたりは、単純な瞬発力だけではなく、“消耗戦への強さ”を持っていました。

ジュウリョクピエロも今後そのタイプに近づけるかが、凱旋門賞制覇への鍵になりそうです。

現状ジュウリョクピエロにとって一番有利な条件は3歳での出走で斤量55kgとなることです。ただ、一つ懸念点があるとすれば、過去10年間の日本馬の凱旋門賞のタイムと馬場です。

日本馬の過去10年の凱旋門賞タイムと馬場

ジュウリョクピエロ 凱旋門賞

日本馬の過去10年の勝ちタイムと馬場状況が悲惨な状況になっています。

日本馬 着順 勝ちタイム 馬場状態
2024 シンエンペラー 12着 2:31.58
2023 スルーセブンシーズ 4着 2:25.50 稍重
2022 タイトルホルダー 11着 2:35.71
2022 ステイフーリッシュ 14着 2:35.71
2022 ディープボンド 18着 2:35.71
2022 ドウデュース 19着 2:35.71
2021 クロノジェネシス 7着 2:37.62
2021 ディープボンド 14着 2:37.62
2020 ディアドラ 8着 2:39.30 不良
2019 キセキ 7着 2:31.97
2019 ブラストワンピース 11着 2:31.97
2018 クリンチャー 17着 2:29.24
2017 サトノダイヤモンド 15着 2:28.69
2017 サトノノブレス 16着 2:28.69
2016 マカヒキ 14着 2:23.61
2015 ゴールドシップ 10着 2:27.23

日本馬が苦戦している最大の理由

成績も悲惨ですが、馬場状況が特に悪く日本馬が参戦した場合は、70%の確率で馬場が稍重以上(ほぼ重)になっています。

武豊さんが本気で走った事がないと言わしめたドウデュースの2400mのタイムは次のようになっています。

  • 2022年 日本ダービー(GⅠ):1着(勝ちタイム 2分21秒9 / レースレコード)
  • 2024年 ジャパンカップ(GⅠ):1着(勝ちタイム 2分25秒5 / 上がり32秒

2400mの世界レコード並みに走る馬が凱旋門賞では、重い馬場で2:35.71となっています。レース後に武さんが「前走もすごく馬場を気にしていたということだったので、(今回も)そういうところが影響したのかな」と言っていたくらい。

環境の変化が、競走馬のパフォーマンスに大きく影響することを改めて感じさせる結果となりました。

それほど、海外遠征は神経を使うものとうかがえます。

日本競馬と欧州競馬は別物

さらに、日本馬が凱旋門賞で苦戦する理由は、単純な能力不足だけではありません。

欧州競馬と日本競馬では、そもそも求められる適性がかなり違います。

日本 欧州
軽い芝 重い芝
高速馬場 時計のかかる馬場
瞬発力勝負 持久力勝負

つまり日本馬は、「違う競技」に近い環境へ挑戦しているとも言えます。

その中で結果を出すには、単純なスピード能力以上に、欧州競馬への適応力が必要になります。

その中でもオルフェーヴルが凱旋門賞であと一歩まで迫れたのは、日本馬でありながら欧州型の持久力やパワーを兼ね備えていたからとも言われています。

だからこそ、同じオルフェーヴル産駒であるジュウリョクピエロにも期待が集まっているのかもしれません。

ジュウリョクピエロの海外遠征の前に遠征自体は大丈夫?

ジュウリョクピエロ 凱旋門賞

これまでの遠征経験

ジュウリョクピエロはそもそも遠征に対して神経質になるのかという疑問。これまでの遠征の経験は次のようになっています。

2025年11月3日に行われたJBC2歳優駿に出走しています。JBC2歳優駿遠征時には落ち着きがなかったという事。また、レースでは新馬戦からマイナス6kgとなっています。

オークスは初めての関東遠征という事で、帯同馬にスターアニスを一緒に連れて行く事で成功した経緯があります。

凱旋門賞でもいつもいるような帯同馬がいれば、そこまで問題はないと考えられます。

海外遠征で不安になるポイント

ただ、海外遠征は15時間〜20時間ほどかかります。この辺りの経験は初めてになるので、未知数としか言えません。

さらに海外遠征では、

  • 輸送疲れ
  • 食欲低下
  • 環境変化
  • テンション上昇

など、競走馬の精神面にも大きな影響が出ます。

実際、能力があっても海外で普段通り走れない馬は少なくありません。

凱旋門賞は「レース前から勝負が始まっている」とも言われるほど、遠征適性が重要になります。

凱旋門賞優勝馬とジュウリョクピエロの血統的背景

ジュウリョクピエロ 凱旋門賞

欧州型血統との違い

ジュウリョクピエロと過去10年の凱旋門賞優勝馬の血統をみていきます。

ジュウリョクピエロの血統背景は次のようになっています。

( 参照元:netkeiba)

元リーディングサイアーのサンデーサイレンスを曽祖父に持ちますが、近年の凱旋門賞優勝馬と比較すると、欧州色の強い超スタミナ型血統とは少し方向性が異なるとも言えます。

  • 欧州血統が多い
  • Galileo系
  • Frankel系
  • Sea The Stars系
  • 重厚型スタミナ血統

ただ、ジュウリョクピエロからは次のような事が血統的な強みとなりえます。

オルフェーヴル産駒は“パワー型”が多い

オルフェーヴル産駒には次のような産駒と特徴があります。

  • ラッキーライラック(阪神ジュベナイル、エリザベス女王、大阪杯)
  • エポカドーロ(皐月賞)
  • ウシュバテソーロ(ドバイワールドカップ、東京大賞典)
  • 道悪巧者
  • 長距離向き
  • 消耗戦向き

など、タフな競馬で力を出すタイプが目立ちます。特に「最後だけ速い」というより、“長く脚を使い続ける”タイプが多いんですね。

これは凱旋門賞向きの特徴とも言えます。

この点はジュウリョクピエロにとってはプラス要素になりますね。

ステイゴールド系特有の“海外適性”

ジュウリョクピエロの祖父にあたるステイゴールド産駒は言わずもがな。オルフェーヴルを代表に白いアレ(ゴールドシップ)や凱旋凱旋2着のナカヤマフェスタを輩出しています。

また、ステイゴールド自身もシルバーコレクターと言われていましたが、香港カップでG1を制覇するなど、海外に適した血統でもあるといえそうです。

ジュウリョクピエロが凱旋門賞で勝つために必要な条件

ジュウリョクピエロ 凱旋門賞

ここまでを整理すると、ジュウリョクピエロが凱旋門賞で好走するためには、いくつか条件が必要になりそうです。

特に重要なのは、以下の通りです。

  • 極端すぎる不良馬場にならないこと
  • 3歳55kgの斤量恩恵
  • 東京の瞬発力戦だけでなく、消耗戦でも脚を使えるか
  • 海外輸送への対応
  • 欧州の消耗戦への適応

現時点での総合評価

逆に、日本の高速瞬発戦の感覚で挑むと、苦戦する可能性があります。

ただ、現時点では「凱旋門賞で確実に勝てる」と断言できる段階ではありません。

それでも、次のような期待する要素があるのも事実です。

  • オルフェーヴル産駒らしいパワー
  • 長く脚を使える可能性
  • 3歳牝馬55kgという恩恵
  • 自在性のあるレース運び

今後、前哨戦のフォア賞への参戦時の重馬場での動きなどがわかれば、重馬場や中山・阪神のようなタフな条件でどのような競馬を見せるかによって、“本当に欧州向きなのか”が少しずつ見えてきそうですね。